2022年8月、父が亡くなりました。父が亡くなる一週間前に偶然、母が父のエンディングノートと言えるA4のリングファイルを見つけました。
ファイルの一番最初のページには葬儀についての記載があって、家族のみの葬儀を希望していること、自分が亡くなったことを親戚の人たちに知らせるタイミングなどが書いてありました。
母はこのようなファイルの存在を初めて知りました。
そして、その日はその一枚目だけを読んで終わりにしました。
そのままファイルの続きを読まないうちに父が亡くなりました。
父のエンディングノートにどのようなことが書いてあって、私たち家族はそれを読んでどのようにしたのかなどをご紹介します。
父が作成したエンディングノートの内容と作成した時期について
エンディングノートはパソコンで作成して、A4用紙にプリントされファイリングしてありました。
作成した時期は今から5年前の2017年作成、2018年一部修正という記載がありました。
内容については
- 葬儀や納骨に関する内容が4ページ
- 遺影写真用の写真のネガ(20年以上前に写したパスポート用の写真ネガ)
- 賃貸住宅に住んでいるので、その契約内容について
- 年金証書の保管場所
- 自分史のような経歴 など
が書いてありました。
父のエンディングノートが役立ちました
父のエンディングノートがどのように役立ったのか、実際に行った葬儀や初七日の話と共にご紹介します。
葬儀について
父が搬送された病院で母に葬儀について聞くと「家族のみの葬儀でいいと思う」ということでした。
しかし、「どの葬儀社さんがいいとかはわからない」と言うので、資料請求をしたことがある小さなお葬式さんにお願いすることにしました。
葬儀は小さな一日葬、あるいは小さな火葬式でということで、葬儀社さんと打ち合わせをしました。
お坊さんは菩提寺がなく、お付き合いがあるお寺もなければ、葬儀社さんの方で手配をしてくれるようになっています。
しかし、母は戒名をつけていただきたい、葬儀で読経をあげていただきたいと思いながら、どんなお坊さんが来るのだろうかと考えすぎて、お坊さんの手配をお願いする決断ができませんでした。
そこで、葬儀社さんから「戒名や読経は後からお願いすることもできるので、葬儀はお坊さんを呼ばないというかたちで納棺式と火葬式を行うのはいかがですか」と提案をされて、そのように葬儀を行いました。
戒名と初七日の読経
葬儀の打ち合わせを終えて実家に戻り、初めてエンディングノートを見ました。
ファイルの最初のクリアポケットに、葬儀や納骨に関する内容のものが4枚まとめて入っていました。
母はその1枚目しか見ていなかったのです。
次の1枚には、自宅周辺の同じ宗派のお寺の住所、電話番号がいくつか書いてありました。
葬儀の翌日、記載のあったお寺へ電話をかけて、こちらの希望をお願いできるお寺を見つけることができました。
そうして、戒名をつけていただき、初七日に読経をあげていただきました。
役立ったエンディングノート
先ず、葬儀に関してですが、私が聞いた時に母は「家族のみの葬儀でいいと思う」との返答でした。
父のエンディングノートを見ていたから、母は即答できたのではないかと思っています。
そうでなければ、家族のみでいいのか、親戚に連絡をしようかと迷ったのではないかと思います。
葬儀にお願いできなかったお坊さんに関しても、自宅近辺のお寺のリストがあったからスムーズに行動できました。
戒名をいただくこと、お坊さんに読経をあげていただくことは、葬儀の中では間に合わなかったのですが、初七日にきちんとできてよかったです。
その後、本位牌を用意して、四十九日法要で魂入れをしていただきました。
納骨についても今後、父が考えていた候補を調べて、母の希望と合わせて決めていく予定です。
このように、父が作成したエンディングノートはとても役に立ちました。
父のエンディングノートの感想
母は「お父さん、こんなファイル用意していたんだね。」と、とても感心していました。
父が作成したファイルの内容は
- 残された家族が困らないようにという手続きに関すること
- 葬儀や納骨についての自分の希望 などでした
普段口でなかなか言えない妻へのメッセージというような内容のものはありませんでした。
このような内容のファイルであれば
- 作成した時に母に話してほしかったです
- 葬儀や納骨の話は、母の考えも聞いて二人の希望というものにしてほしかったです
- ファイルの存在を私たち子供に元気なうちに話してほしかったです
というのが子供としての私の希望でした
私は以前からもしもの時に何か希望があれば、元気なうちに聞いておきたいなあ、話してほしいなあと思っていました。きっかけがないとこちらからは切り出しにくい話なので、話題にする機会はなかなかみつけられませんでした。
父は2020年頃から少しずつ体調が悪くなっていました。
エンディングノートを作成したのが2017年で元気な頃だとわかり、なおさらその頃に話してくれればと思いました。
今回は、母が偶然ファイルを見つけて、父の希望を受けて母も迷いなく葬儀を行うことができたので、よかったと思っています。