2022年8月、父が亡くなりました。葬儀を終えると、事務手続きを始めなくてはなりません。
事務手続きの内容を何も知らない母とどうやってすすめていこうかと考えました。
また、今回の事務手続きだけではなく、母をサポートする場面はこれからも続くことでしょう。
それなら時間がかかっても、母にとっては今後の暮らしを前向きに考えられる環境、私にとってはサポートしやすい環境を作っていこうと思いました。
最初に私の中で2つのルールを決めて始めました。
ここでは事務手続きのすすめ方や高齢の母のサポートで気をつけたいことなどをご紹介します。
私と同じように親のサポートをする立場にある人たちのお役に立てればうれしいです。
ルール1:物事を決めるとき、母本人が決断をする
自分でこんな環境を作りたい、親とはこんな関係でありたいと思うかたちをイメージして、ゆっくりとすすめていくことにしました。
もしここは違うと気づいたら、少しずつ修正していく、そのためにもゆっくりすすめていくのです。
修正しながらすすむにしても、基本になるルールは必要だと思い、決めてから始めました。
小さい物事でも重要な物事でも母に関わることは、母本人に決断をしてもらっています。
意見を求められたときは私の意見を伝えています。
知人から聞いた話やテレビで知った話など他にも情報があれば、それも伝えています。
最初のうちは内容によって、自分で決断をしたがらないこともありました。
しかし、その都度、「お母さんが決めてください」と言い続けたので、自分で決めることなんだとわかってもらえたようです。
ルール2:母が決断したことは否定しない
物事は母が決断した内容ですすめています。
母が大きなデメリットに気づかずにその判断をした可能性がある時は、デメリットを伝えたいと思っていますが、今のところ、そのような場面はありません。
子供としては、違う選択をしてくれた方がありがたいなあと思うこともありますが、母の決断を優先しています
家族が亡くなった後の事務手続きのすすめ方
家族が亡くなった後の事務手続きの主な内容は
- 役所で手続きをする健康保険や国民年金
- 故人が契約していたものの解約あるいは名義変更
- 生命保険の請求や相続関係の手続きなどで
亡くなった家族が誰かによって手続きの内容も変わっていきます。
私の場合は、2人暮らしをしていた両親で父が亡くなりました。
母ができることは母にやってもらおうという考えなので、次のように手続きをすすめていきました。
こちらから役所や店舗へ出向いて手続きをする場合
役所や年金事務所、携帯電話のショップなどこちらから出向く所へは、母に付き添っていきました。
予約が必要なところは、私が電話をかけて必要書類も確認して予約をしました。
私と弟が普通に会話をしていた時に、母から「テンポが速すぎて内容が理解できない」と言われたのです。
その時、普通ではなく、ゆっくり話さないと理解してもらえないということを知りました。
それで、役所などに一人で行っても、理解して手続きするのは難しいと判断して付き添うことにしました。
その後、母と話す時は、意識してゆっくりとした口調で話すようにしています。
公共料金や固定電話など手続きを電話で依頼する場合
世帯主の父が亡くなったので、公共料金や固定電話などの名義変更、料金の引き落とし口座の変更手続きが必要でした。
母と一緒に役所などへ行って、母も少し、外部の人と話すことに慣れたようだし、私も付き添ったことで、相手の方がこちらの様子をみて、丁寧にゆっくり対応してくださることがわかりました。
契約している会社へ電話をかけることは、簡単なやり取りで済むと思ったので、母に電話をかけてもらうことにしました。
事前に母へ、契約している会社へ電話をかけて
「世帯主の夫が亡くなったため、名義と引き落とし口座を変更したく電話しました。」と
伝えると、相手に通じるからねと。
そして、その内容を聞いた相手からは
名前や住所を聞かれて、「手続きに必要な書類を送ります。」
多分こんな感じの話をされると思うよと。
こんなふうに事前に、電話でのやり取りのイメージを伝えました。
すると、母が「わかった、かけてみる。」と言ってくれたので、任せることにしました。
母が請求書などで連絡先を調べて電話をかけました。
実際に母が電話をかけているところを見ていないし、母も何も言わないので、どんな状況だったのかはわかりませんが、電話での手続き依頼は無事に終わりました。
あとは書類が届いたら記入して返送するだけなので、引き続き母が一人で行いました。
高齢の親のサポートで気をつけたいこと
突然始まった母のサポートですが、母にとって今後の暮らしを前向きに考えられる環境を整えることが一番だと思ってやっています。
そんな中で、うまくいっていることや失敗談などを、気をつけたいこととして紹介します。
(1)母の性格に合わせてよかったこと
私は、私がやってあげるから任せてというタイプではなく、本人が後悔しないように決めた方がいいのではと思うタイプです。
母も何でもいいよというタイプではなく、自分の意見をきちんと持っているタイプです。
しかし、父が亡くなった直後は、「よくわからないし、何でもいいよ。」と言っていたので、こちらが判断してテキパキと行動した方がスムーズにすすんでいいのかなと一瞬思いました。
少し様子を見ていたら、いろいろ希望が出てきました。
それで、やはり決め事は母本人が決断するというかたちですすめました。
そして、その判断は正解だったと思っています。
(2)できるだけゆっくりなペースを保つ
物事を決めることを母本人に任せているので、時間がかかることがあります。
できるだけ余裕を持ち、待とうと心がけています。
しかし、こちらも仕事があるので、時間がないときは急かすのではなく、素直に状況を伝えて妥協点を見つけてやっています。
(3)頑張りすぎないこと
最初はできるだけ希望通りにと、責任感を持ってサポートを始めました。
一生懸命頑張って、勝手に疲れてしまいました。
一人で抱え込んで、親と向き合っていなかったと気づきました。
それからは頑張りすぎないことにしました。
完璧なサポートはできなくても無理をせずに、私も母も穏やかに暮らせたらいいのではないかと思うようになりました。
親のサポートはゆっくりと気負わずにやっていこう
この記事では私のサポートの始め方を紹介しました。
すでにサポートをしている方、これからサポートをする可能性がある方へ
ゆっくりと気負わず、少しずつ環境をととのえていきましょう。
一人で抱え込まず、兄弟で情報を共有して協力を得ながら、親と向き合ってすすめていきましょう。